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2023.12.25 行政書士法令アドバイスコラム

技人国・留学生について

「技術・人文知識・国際業務」(いわゆる「技人国(ぎじんこく)」)は、外国人が専門的技術や知識を活かし、即戦力として高度な業務につくことのできる在留資格(ビザ)です。日本に留学している外国人が、学校を卒業後に就職する際に取得するケースがよくあります。

「技人国」は、企業と就活生(留学生)がマッチすれば簡単に取得できるものと思われがちですが、日本人を採用する場合と異なり、入管法の要件に合っていなければ「技人国」の許可がおりず、雇用することはできません。

要件の主なポイントは、
① 外国人が学歴を有すること(または実務経験があること)
② 業務内容に一定の専門性があること
③ ①と②に関連性があること
④ 日本人と同等額以上の報酬であることです。

① 外国人が学歴を有すること
大学や短期大学、日本の専門学校を卒業していることが必要とされます。もしくは、10年以上の実務経験があれば、熟練の技術や知識があるものとみなされます。

② 業務内容に一定の専門性があること
従事予定の業務が、大学等で学んだ専門知識(または10年以上の実務経験で培った技術等)を必要とする高度なレベルのものでなければなりません。単純作業、繰り返しの訓練で習得できる業務、マニュアルがあれば遂行可能な業務などは、除外されます。また、高度なレベルの業務が一部のみで、大半の時間は他のことを行うような場合も、認められません。

③ ①と②に関連性があること
従事する業務と大学等で専攻した科目に関連性がなければなりません。実際に履修した科目を個別に確認し、従事予定の業務との関連性を説明する必要があります。

④ 日本人と同等額以上の報酬であること
賃金規程や同等の業務に従事する日本人従業員に照らして、同等額以上の報酬が支給される必要があります。

このほかにも、企業の経営状態、雇用条件、本人のこれまでの素行(学生時に週28時間を超えたアルバイトをしていないかなど)、入管法に定める届出等の義務の履行など様々な観点からチェックされ、総合的に判断されます。

ここでは概要のみご説明しましたが、より細かい要件がありますし、個々の事情によって必要書類が大きく異なります。技人国の在留資格を取得するまで最短ルートを辿るには、そもそも要件にあてはまっているか、方向性に間違いはないか、入管に審査されるポイントをおさえた立証資料を用意できるかなど、知識と経験を備えた行政書士の的確なアドバイスが必要不可欠です。縁あって出会った企業と就活生(留学生)がお互いに笑顔になれるよう、できる限り早い段階から行政書士に相談し、手続を進めていくことをお勧めします。

岐阜県行政書士会 業務部国際部会